【NG例を紹介】効果がない自己PRの強み7選
こんにちは!
採用コンサルタントとして企業の面接官代行や、大学で就活講師として活動する”採用者たてがみ”です。
以前、別のブログで「効果的な自己PRの強み12選」について解説しましたが、本記事では『選考で避けるべき自己PRの強み7選』についてお話していきます。
さて、面接や履歴書・エントリーシートで自己PRは漏れなく聞かれると思います。
ただ、このような悩みを持ったことはありませんか?
・そもそもどのような自己PRなら評価されるのだろう?
・自分の強みは他の人と比べて幼くかんじる…
・面接で自己PRを伝えたときに面接官の反応がイマイチだった
私も面接官として様々な自己PRを聞きますが、正直に3割くらいの学生は”聞きたかったのってそういうことじゃないのになあ”という自己PRの強みです…
そこで今回は、あまり効果のないNGな強みについて、面接を設計している立場から論理的に解説します。
アピールには不向きな強みの3つのパターン
みなさんが一所懸命に考えた強みも年間数百以上の自己PRを見てきている面接官からすると「またコレか…」と思ったり、「それは強みじゃない…」とため息が出たりすることが多々あります。
大切なことは“何百人も同じ企業を目指すライバルがいる中で、自分が面接官(採用する人)だったら、この強みは採用するメリットのある適切な強みなのか”と客観視することです。
そこで、まずどのような強みがNGなのか客観的視点で解説していきます。
社会人として当然持っていてほしいスキル
<例>
協調性 / コミュニケーション能力 / 積極的 / 諦めずにやりきる力 etc…
みなさんから見て違和感が無いものもあるかと思いますが、これらの強みは「あって当然のスキルだよね」と評価する面接官も多いです。
自己PRというより“無いと困るスキル”に該当してしまいます。
みなさんが異性から告白されたときに「毎日挨拶できるよ!/浮気はしないよ!」と言われても「そんなの当たり前だろ!」となりますよね
簡単な見極め方としては、その強みを否定語や対義語にしたときに、自分の同僚にいたら嫌だと思う社員像かで判断しましょう。
先ほどの強みを反対語にすると…
協調性がない / コミュニケーション能力がない / 消極的 / すぐに諦める
ただし、これらも強みも視点を変えれば”有効な強み”にすることができます。なぜならこれらの強みは、抽象的な表現でもあるからです。
例えばご自身の強みを「コミュニケーション能力」とした時に、なぜ自分はコミュニケーション能力が高いのか考えてみましょう。
<なぜ私はコミュニケーションが高いのだろう?>
・サークルにみんなが集まってくれなかった時に積極的に仲間に声をかけて、出席を促したな…。
→本当の強みは“働きかける力”や“状況把握能力”の可能性あり
・みんな悩み事を相談してくれて、感謝されることが多い
→本当の強みは“傾聴力”や“課題発見力”の可能性あり
このように一度”なぜ”と考えて具体的な表現にすることで、より業務で活きる(採用メリットのある)強みにすることができます。
この際の具体的な強みはこちらの記事を参考にしてください↓
具体的なエピソードと絡めにくい感覚的なスキル
<例>
様々なものに興味が持てる性格 / ひとつのことを突き詰める性格 / 誰とでもすぐに打ち解けられるところ etc…
これらの強みは、論理的に表現することが難しいため、面接官として評価しにくいです。
例えば「誰とでもすぐに打ち解けられる」と言われても、それはこれまで親交のあった100人程度か、それとも街中で人に声をかけ続けた1000人かでは大きく評価が変わります。
(実際に私が面接官をしていた際に)
他の面接官が「これまではたまたま上手くお付き合いできていたものの、これから営業マンとして煙たがられる存在になった時に、それでもすぐに打ち解けられる自信はどこからくるの?」と聞いていました
また、「ひとつのことを突き詰められる」と言われても、面接官の思う結果に届いていない際に「あなたにとっての”突き詰める”は、そんな浅いものなのですか?」と評価されてしまうこともあるので、リスクがあります。
しかし、論理的な自己PR(採用メリット)としてはアピールしがたいものの、あなたを構成する大切な要素の一つです。
そのため、自己紹介などの性格面を表す際にはアピールしていきましょう!
(例)
「〇〇大学から参りました△△です。私は誰とでもすぐに打ち解けられる方だと思いますので、今日の面接も皆様とお話できるのを楽しみにしておりました!」
企業が業務で求めるスキルと正反対の強み
最後に、受ける企業の“業務内容で求められるスキル”とあまりに乖離した自己PRの強みもNGです。
例えばあなたが強みとして”何でも売ることができるスキル”があったとしても、ITエンジニアや建築現場などでは必要なスキルではありません。この場合はたしかに優秀なポイントだとしても、自己PRの強みにはならないのです。
大切なことは、その企業に就職してあなたが実際に行う業務を想定して、それに活かせる強みを考えることですね!
使われがちな自己PRでのNG強み7選
それでは実際の就活現場で使われがちなNG強みについて解説していきます。
ご自身が使ってしまっているものもあるかもしれませんが、より良くするための考え方も記載しておりますので、ぜひ参考にしてください!
コミュニケーション能力(協調性・打ち解ける力)
<NG理由>
- 社会人として働いていく上で必ず持っていてほしい要素のため
コミュニケーション力はアピールしなくても面接での受け答えで評価できますので、面接では挨拶や相槌、ESや履歴書ではチームプレーの経験を入れ込むことなどを意識しましょう!
また、前項を参考になぜ自分がコミュニケーション能力が高いのだろうと考えることができれば、より具体的な強みが出てきます。
似た強みに「ポジティブ」もありますが、同様の理由でNGです。
積極的
<NG理由>
- 積極的に知識を吸収して、活かしていくことは当然のため
新卒採用は”ポテンシャル採用”と呼ばれており、まだ働いたこと無いみなさんの潜在力に懸けて採用することがほとんどのため、積極的に業務をこなして一人前になってもらうことを前提に採用します。
そのため、どのような業務においても積極的な方ではないと困ります。
積極性をアピールするということは、それを証明する経験に”他の方に比べてあなたが率先して(自分ごと)として取り組めた話”などが付随するケースが多いので、主体性や実行力などの言葉に置き換えてアピールできると良いでしょう。
諦めずにやりきる力
<NG理由>
- 諦めないことは当然と捉えられてしまう
働くことは課題を解決することによって、評価を得て給与をもらうことです。そのため途中で諦めてしまうと仕事になりません。
諦めずに達成できることをアピールしたい場合は、なぜ自身が諦めずにやりきれたのかを考えましょう。
どんなことでも工夫せずに達成することは難しいはず。計画的に実行したことや、柔軟性をもって取り組んだなど、あなたなりの他の強みが出てくるはずです。
好奇心旺盛(様々なものに興味が持てる性格)
<NG理由>
- 好奇心の度合いは人によって様々であり、客観的に評価することが難しく、面接官の感性によっては著しく評価を落としてしまう可能性がある
(例えば…)
あなたが好奇心旺盛であることをアピールしようとして、1年間で本を50冊読んだとします。
しかし面接官が自分のことを好奇心旺盛だと思っていないにも関わらず、1年間で100冊本を読む習慣があった場合、かなりガッカリな評価となってしまいます。
また、好奇心旺盛だからといって自社の仕事に興味が出るとは思えないし、その興味が続くとは限らないと思えてしまうので、あなたの好奇心と業務への興味は別物として考えられると良いです。
ひとつのことを突き詰める性格
<NG理由>
- 突き詰める度合は人によって様々なため、客観的に評価することが難しく、面接官の感性によっては著しく評価を落としてしまう可能性がある
(例えば…)
集団面接において、あなたが一つのことを突き詰めて取り組んだことをアピールしようとして、TOIECで650点まで点数を上げた経験があるとします。
しかし、他の学生が強みが別にあるにも関わらずTOIECが820点だった場合、相対的にあなたの評価を下げてしまうことになります。
ここでの重要なポイントは、点数をあげたという事実と努力は評価に値するものです。大切なことは、あなたが突き詰めて得た“結果”ではなく、突き詰めるに至った過程で学んだことや工夫、成長です。
突き詰める性格をアピールしたいときは、何かを突き詰めた経験をアピールすると思います。その経験を振り返るときっと「〇〇の強みを活かしたことによって、突き詰めることができた」と表現できる強みがあるはずです。
体力には自信がある
<NG理由>
- 他者から評価される言葉であり、体力があるから良い仕事ができたり、病気にかからなかったりするわけではない
よく「私はバイタリティがあります!」という言葉を耳にしますが、基本的には自分に対して使う言葉ではなく、他者から評価される言葉です。
もちろん体力も大切ですが、働き方が見直される世の中で体力が尽きるまで残業をするということも少ないため、他にアピールすべきことがたくさんあるはずです。
真面目な性格
<NG理由>
- 真面目に仕事をすることは当然のため
似たニュアンスで「生真面目・几帳面」などを強みにされる方もいますが、それらは履歴書の体裁や面接の受け答えでも評価できます。
また、これらの特徴は裏を返すと「融通が利かない」という捉え方をされてしまうことがあるため、アピールすることのメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまいます。
本記事のまとめ
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
本記事では、選考で避けるべき自己PRの強みの実例とアピールに不向きな3つのタイプの強みについて解説させていただきました。
改めてですが、自己PRは“何百人も同じ企業を目指すライバルがいる中で、採用するメリットのある強みなのか”と客観視することが大切です。
今回のNG例を参考にぜひご自身の経験を深堀して、適切な強みをアピールしましょうね!
また、簡単に自己PR文章が書ける『自己PR自動作成ツール』をみなさんに無料配布しております。ぜひこちらの記事をご確認ください↓